日本のサッカーの競技人口はピラミッド型です。年代が上がれば上がるほど競技人口は激減します。ジュニアチームを立ち上げて3年が終わろうとしています。数名からスタートしたクラブは120名を超える子ども達が集うクラブになりました。いろいろな子供がいます!いろいろな保護者も・・・120名いるということは、240の考え方感じ方があると言うことです。クラブとしてはその全てに答えることはできません。でもボールを多少上手に扱うことのできる子ども達だけが優遇されるクラブではないということを、多くの方が感じていただけるようになっていることも事実です。みな、自分の子供が可愛いと思う気持ちは当然のことです。親と距離を置く時期がもうすぐやってくることに気がつかないことも仕方のないことかもしれません。手痛いしっぺ返しが全員にくるわけではないのですが、そうならないように・・・その時にあたふたしないように・・・これから先も通信という形などを通して訴えていかなければならないと感じているところです。今回はジュニア年代の責任ということで、親と指導者の立場から感じることをお伝えできればと思います。 「親御さんへ・・・・・」 自分たちも通ってきた道です。子供が何時までも親の言うことを聞くなどと思わない方がよいですよ。出来るだけ早い年代から個を尊重し、意見交換をしておく必要があると感じています。子供の人生ですから多くを期待し多くを望むことなく「タヌキのごとく」見守ってあげることができたら良いですね。誰からも親になる資格を与えてもらったわけではありません。子供の成長に負けないためにも、自戒する気持ちを大切にしたいものです。 「私たちを含めたジュニア年代のコーチの皆様へ・・・・・」 私たちも含めて、レギュラーからサブのメンバーまでサッカーの楽しさを伝えることができていますか?いとも簡単にジュニアユースやユース年代でサッカーをやめてしまう原因の一つに、ジュニア年代の責任ということを感じていますか?スタメン以外の子ども達にどれだけサッカーの楽しさを伝えていますか?教えた子ども達が高校3年生までスポーツを続けていますか?私ごときがサッカーというスポーツを語ることはできませんが、これからますます子供の数が減る時代です。他のスポーツも、いろいろな戦略を立てて競技人口を増やしにかかっています。箱もの競技に比べれば場所すらない。例えば船橋だけでなく千葉県と枠を広げてみても、サッカーを気軽に行えるグランドは皆無といって良い状況です。そのような状況に於いて、縁のあった子ども達にコーチという立場で私たちは何を伝えていくべきなのでしょうか。26日にU-13の県トレがありました。ゲーム中「簡単にやれ・!簡単にやれ・・!」と連呼する選手がいる。「ちょっとまって。俺は今の年代決して簡単にやることが良いことだとは思わないんだよねぇー・・・・・ボールを持たなければ上手くならないし、選択肢の多い判断を身につけるためにはワンプレーワンプレーに今は時間がかかるという考え方なんだ・・・・・」県トレU-13を10年見ていて何時も感じることは、ジュニア年代からスピード・パワー・体格以外に本当に成長しているの?ということ。県トレセンを経験してプロになった選手もたくさんいます。たくさんの選手を見てきましたが、年度初めに初めて見た時と、各チームで11ヶ月サッカーを行ってきた2月に個々の課題が改善されていない年は本当に悲しいものです。27日に佐々木コーチと一緒に富津で行われた3年生大会、長生フットボールパークで行われた4年生5年生大会の準決勝・決勝を一日で内房と外房をハシゴして見てきました。富津では、1試合目全てと2試合目の前半10分まで見ました。スタンドで見ていて佐々木コーチが「渡辺先生、見ていて下さい。ベンチに座っているサブのメンバーは出ませんよ。」と言われました。途中からアップをはじめるものの、出番無し。ほとんどの子が、数秒とボールを持たないサッカーに将来はあるのか、大きな疑問を持ちながら見ていました。私も平日のトレーニングで小学1~3年生に携わっているものとして、今自分たちが行っているトレーニングは決して間違った方向ではないという確認ができました。 ノックアウト方式の大会の弊害は 大きいなぁー・・・・・ジュニア年代の指導者はどう考えているのだろう?この年代でボールをはやく離して前に速いサッカーが個々の将来にどう影響していくか?6年後のU-15の年代で自分たちの育てたたくさんの選手たちで千葉県全体に問いかけてみたいと思います。 (渡辺)